中小企業のAI導入率は2割!他社は何に使ってる?公的調査で見る最初の一歩

「他の会社って、AIを何に使っているんだろう?」
「うちでも使えるとは思うけど、最初に何を任せればいいのか分からない…」
という方も、いらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、中小企業のAI導入は、まだ約2割。そして多くの会社が「他社の活用事例が分からない」ことに困っています!
これは、中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)が行った全国調査から分かったことです。
そこで今回は
- 中小企業のAI導入率は今どれくらいなのか
- 導入した会社が感じている効果
- いちばん足りない「他社の事例」をどう補うか
- 自社の「最初の1つ」を選ぶ3つの目安
を解説していきます。
「うちも何か1つ、始めてみたいな」と感じている方は、最後までご覧ください😉
中小企業のAI導入率は約2割|中小機構の調査で見る現在地

それでは、まず最初に調査の概要を簡単にご紹介しましょう。
中小機構の「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)」は、全国の中小企業10,000社にWebアンケートを送り、2025年11月17日から12月12日にかけて行われたものです。
報告書には、回答した企業が1,668社と書かれています。
この調査で、AIの導入状況はこうなっていました。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| AIを導入している(全社的+一部の業務の合計) | 20.4% |
| AIの導入を検討している | 18.6% |
| 導入済みか検討中(上の2つの合計) | 39.0% |
| AIを導入した企業のうち、生成AIを使っている | 82.6% |
つまり、AIを導入している会社は5社に1社ほど。
一方で、導入を検討している会社も合わせると4割近くになります。
「周りの会社はみんな使っていて、うちだけ遅れている…」と焦る必要はなさそうです。
ただし、AIの導入率は調査によって、対象にした会社の規模や「導入」の定義が違うため、数字が大きく変わります。
この記事では、数字を混ぜて比べないように、中小機構の調査1つにそろえてご紹介します。
AI導入の効果は「作業時間の短縮」が8割超で最多

ここまでは、AI導入の現在地をご説明しました。
ここからは、導入した会社が「どんな効果を感じたか」のお話です。
同じ調査で、AIの導入効果として挙げられたもののうち、いちばん多かったのが「業務効率化・作業時間の短縮」の83.2%でした。
2番目以降は3割台にとどまっているので、この項目がダントツです。
「AIで売上が急に伸びた!」というより、まずは「手間と時間が減る」ことを実感している会社が多い、ということですね。
これはあくまでも僕の見方ですが、最初の目標を「時間を減らすこと」に置くのは、現実的でいい考え方だと思っています。
なぜなら、効果が目に見えやすく、うまくいったかどうかの判断もしやすいからです。
なお、AIのツールや研修にかかる費用は、国の「デジタル化・AI導入補助金2026」の対象になる場合があります。
制度の中身はこちらの記事でまとめていますので、あわせて読んでみてください。

いちばん足りない情報は「他社の活用事例」|導入の壁を知ろう

ここでは「うちもAIを使いたいけど、何から手を付ければいいか分からない」と感じている経営者・担当者の皆さんに、知っていてほしいことをご説明します。
情報不足についてです。
中小機構の調査では、AIやITを進めるうえで足りない情報も聞いています。
- 「成功事例・活用事例などの情報」が足りない:83.3%(最多)
- 「適切なベンダー・製品を選ぶための情報」が足りない:79.8%
引用:中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)」
「不足」とする回答にどこまで含めた数字なのかは、くわしくは報告書の原文をご確認ください。
それでも、多くの会社が「他社は何にどう使っているのか」を知りたがっていることは、はっきり読み取れます。
ぶっちゃけ、ネットで「AI 活用事例」と検索すると、大手企業の話や、ツールの紹介ばかりが出てきます。
「それは大きな会社だからできるんでしょ…」と感じてしまうのも、無理はないですよね😅
そこでおすすめなのが、事例を探すときに「業界名」ではなく「作業名」で探すことです。
- 「AI 議事録 作成」(会議の記録をまとめる)
- 「AI お客様 返信 下書き」(問い合わせへの返事の下書き)
- 「AI 文章 要約」(長い資料を短くまとめる)
作業名なら、会社の規模や業種が違っていても、そのまま参考になります。
この考え方は、お店の個人事業主さんにも、会社の担当者さんにも、同じように当てはまります。
事例を見ても判断に迷ったら、まずは専門の窓口や、身近なAIに詳しい人にご相談ください。
最初に任せやすい仕事の例|文章の下書き・要約・問い合わせの整理

ここまでは、事例が足りない現状をご説明しました。
ここからは、「最初に任せやすい仕事」の例をご紹介します。
調査では、総務・管理部門でAIの導入が進んでいるという結果も出ています。
毎日の事務作業の中に、AIが手伝いやすい仕事が多い、ということだと僕は受け止めています。
これから紹介するのは、調査に出てくる事例ではなく、僕が「最初の1つ」として考えやすいと思う例です。
| 仕事の例 | AIに任せること | 人が見るところ |
|---|---|---|
| 文章の下書き | お礼状・案内文・ブログやSNSの下書き | 言い回し、お店らしさ、事実の間違い |
| 長い資料の要約 | 会議メモ・公開されている資料の要点まとめ | 大事な数字や条件が抜けていないか |
| 問い合わせの一次整理 | メールの内容の分類、返事の下書き | お客様への最終的な返事の内容 |
| 書類の下ごしらえ | 箇条書きのメモを、きれいな文章に整える | 固有名詞・日付・金額 |
どれも共通しているのは、AIが「下書き」までを担当し、最後は必ず人が確認するという形です。
なお、顧客の名前や住所、見積金額などは、そのままAIに入れないよう気をつけてください。
入れていい情報・いけない情報の分け方は、以前の記事でくわしくご紹介しています。

自社の「最初の1つ」の選び方|3つのチェックで決めよう

では、自分の会社では何を最初に任せればいいのでしょうか?
これはあくまでも僕の考えですが、次の3つで選ぶと失敗しにくいと思っています。
- 毎週・毎月くり返している仕事か(慣れるほど効果が出る)
- 間違えても、被害が小さい仕事か(お客様に直接影響しない)
- AIの答えを、人が確認できる仕事か(正解を自分で判断できる)
1つ目は、くり返す仕事ほど、1回の工夫が何度も効いてくるからです。
2つ目と3つ目は、AIが間違えることがある、という前提に立ったチェックです。
だからこそ、今週いちばん時間がかかった事務作業を、まず1つ書き出してみるのがおすすめです。
書き出したら、上の3つのチェックに当てはめてみてください。
3つとも当てはまった仕事が、あなたの会社の「最初の1つ」の候補です。
AI導入の全体の流れは、以前の記事「中小企業がAI導入を始めるための5つのステップ」でもご紹介しています。

まとめ
今回は、「中小企業のAI導入率は2割!他社は何に使ってる?公的調査で見る最初の一歩」と題して
- 中小機構の調査では、AIの導入率は20.4%(導入を検討中を合わせると39.0%)
- 導入効果は「業務効率化・作業時間の短縮」が83.2%で最多
- 足りない情報の1位は「成功事例・活用事例」で83.3%
- 事例は「業界名」ではなく「作業名」で探す
- 最初の1つは「くり返す・被害が小さい・人が確認できる」仕事から
を解説しましたが、いかがだったでしょうか?
AIは、まだ使っていない会社のほうが多い今だからこそ、小さく始めた会社の経験が、そのまま次の会社の「事例」になっていくと僕は思っています。
まずは今週、いちばん時間がかかった事務作業を1つ、書き出してみましょう!
ツナガルでは、AIの使い方の相談も含めた、中小企業のAI導入のご相談をお受けしています。
「うちの仕事だと何から任せればいいか分からない」「他の会社の使い方を教えてほしい」という方は、ツナガルへお気軽にご相談ください。
参考・確認日:2026年10月1日
・中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)ポイント」
・中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 報告書(令和8年3月)」
・販売士ニュース「中小企業のAI導入率は2割を超え、総務・管理部門を中心に導入が進んでいる」
※調査の定義や回答の内訳は、中小機構の報告書の原文をご確認ください。
