AIに貼ってはいけない情報とは?中小企業のAIルールは紙1枚から

AIに貼ってはいけない情報とは?中小企業のAIルールは紙1枚から

皆さんの会社では、AIに入力していい情報と、入力してはいけない情報がはっきり決まっていますか?

「無料のAIなら誰でも使えるし、社員が仕事で使っているかもしれないけど、ルールまでは作っていない…」

という方も、いらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、AIのルールは分厚い規程でなくても大丈夫。紙1枚からで十分です!

大切なのは「禁止」することではなく、「ここまでならOK」を先に決めておくことなんです。

そこで今回は

  • 「禁止」よりも「ルール」が必要な理由
  • IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「10大脅威2026」でAIが初めて3位に入った話
  • AIに貼ってはいけない情報・貼ってもいい情報の早見表
  • 紙1枚で作れる「うちの会社のAIルール」のひな形

を解説していきます。

「うちもそろそろ決めておかないと…」と感じている方は、最後までご覧ください😉

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社員はもうAIを使っている?「禁止」より「ルール」が必要な理由

スマートフォンとノートパソコンで仕事をする2人

それでは、まず最初に今の中小企業の状況を簡単にご紹介しましょう。

システム会社のヤマネックスが2026年8月31日に公表した「中小企業の生成AI利用実態調査2026」では、こんな結果が出ています。

  • 機密情報の入力に強い不安を感じている:87.7%
  • 利用ルールが「ない」または「形だけ」:74.6%
  • 入力内容を自動で検知・マスキングする仕組みがある:11.4%

参照元:ヤマネックス「中小企業の生成AI利用実態調査2026」

この調査は回答114件(2026年7月10日実施、従業員300名以下の企業の社員・経営者など)と、規模の小さな調査なので、あくまでも「一つの調査では」という数字です。

それでも、「不安はあるけど、ルールはない」という状態の会社が少なくないことは、なんとなく想像がつくのではないでしょうか?

じゃあ、いっそ「AIは使用禁止!」にしてしまえばいいのか…というと、僕はそうは思っていません。

スマホがあれば誰でもAIを使える今、禁止しても見えないところで使われてしまえば、かえって状況がつかめなくなるからです。

だからこそ、「使っていい範囲」と「使ってはいけない範囲」をはっきり決めておくことが大切なんです!

IPAの情報セキュリティ10大脅威2026で「AIの利用」が初登場3位に

手のひらにのせた南京錠

ここまでは、中小企業のAI利用の現状をご説明しました。

ここからは、国の機関もAIのリスクに注目している、というお話です。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は、毎年「情報セキュリティ10大脅威」を発表しています。

2026年1月29日に発表された2026年版の組織編では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれ、いきなり3位に入りました。

順位組織編の脅威
1位ランサム攻撃による被害
2位サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3位AIの利用をめぐるサイバーリスク(初選出)
引用:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」

IPAは、このリスクの中身を次のように説明しています。

「AIに対する不十分な理解に起因する意図しない情報漏えいや他者の権利侵害といった問題、AIが加工・生成した結果を十分に検証せず鵜呑みにすることにより生じる問題、AIの悪用によるサイバー攻撃の容易化、手口の巧妙化、などが挙げられます。」

IPA「プレス発表 情報セキュリティ10大脅威 2026を決定」

つまり、攻撃されるリスクだけでなく、使う側がよく分からないまま入力してしまうこと自体がリスクだということですね。

さらにIPAは、2026年4月2日に「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」という資料を公開しています。

AIにもセキュリティにも詳しくない利用者やマネージャー向けの資料で、注意点の1つ目に「クラウドAIに営業秘密は教えない」と書かれています。

メチャメチャ分かりやすい言葉なので、社内で共有するときにもそのまま使えると思います。

AIに貼ってはいけない情報・貼ってもいい情報の早見表

書類ケースから書類を取り出す手

では、具体的に何を入れてはいけないのでしょうか?

中小企業でよく扱う情報を、僕なりに3段階で分けてみました。

区分情報の例
✕ 貼らない顧客名簿・住所・電話番号、従業員の個人情報、パスワードやIDなどのログイン情報、見積金額・原価・取引条件、契約書の中身、公開前の新商品の情報
△ 加工してからお客様からの問い合わせ文、社内の会議メモ、売上の数字(名前や社名を消す、数字をぼかすなどしてから)
○ 貼ってOKホームページに公開済みの商品説明、ブログやSNSの下書き、一般的な質問、公開されている制度の説明文

判断に迷ったときの目安は、とってもシンプルです。

「その文章が社外の人に見られても困らないか?」で考える。

困るものは貼らない、困るけどAIに手伝ってほしいものは、名前や数字を消してから貼る。

これだけで、うっかりの情報漏れはかなり防げるはずです。

ちなみに、お客様の個人情報については、個人情報保護委員会も2023年6月に事業者向けの注意喚起を出しています。

本人の同意なく個人データを入力し、それが回答を出す以外の目的(AIの学習など)で使われる場合は、個人情報保護法に違反する可能性がある、という内容です。

「名簿をAIに整理させよう」という使い方は、特に気をつけてくださいね。

無料版と法人向けプランの違い|「学習に使われる設定」を確認しよう

窓辺の机に置かれたノートパソコン

ここまでは、入力する情報の分け方をご説明しました。

ここからは、「どのAIを、どの設定で使うか」のお話です。

AIサービスの多くは、入力した内容をAIの改善(学習)に使うかどうかを、プランや設定で変えられるようになっています。

一般的には、法人向けのプランのほうが「業務データを学習に使わない」と説明されていることが多いです。

ただし、条件はサービスごとに違いますし、途中で変わることもあります。

なので、ここでは特定のサービス名を挙げて「これなら安心」とは言いません。

その代わりに、社内で使うAIを決めるときに確認してほしいことをまとめました。

  • 入力した内容が学習に使われるか(設定でオフにできるか)
  • 会話の履歴がどこに、どれくらいの期間残るか
  • 個人のアカウントか、会社で管理できるアカウントか
  • 利用規約やプライバシーポリシーが最近変わっていないか

ぶっちゃけ、全部を完璧に理解するのは大変です😅

だからこそ、「会社で使うAIはこれ」と1つに決めて、設定を一度だけしっかり確認するのが、中小企業にはいちばん現実的だと思っています。

なお、有料プランやセキュリティ対策の費用には、国の「デジタル化・AI導入補助金2026」が使える場合があります(セキュリティ対策推進枠の次の締切は2026年9月29日17:00)。詳しくはこちらの記事でまとめています。

紙1枚で作る「うちの会社のAIルール」5項目のひな形

机でクリップボードの紙に書き込む人

ここでは社員やパートさんにAIを使ってもらう経営者・担当者の皆さんが、最初に絶対に決めておいてほしいことをご説明します。

紙1枚のAIルールについてです。

難しい言葉は使わず、次の5項目を埋めるだけで大丈夫です。

  1. 使っていいAI:会社で決めたサービスと、使うアカウント
  2. 使っていい仕事:文章の下書き、要約、アイデア出しなど
  3. 入れてはいけない情報:上の早見表の「✕」
  4. AIの答えは人が確認してから使う(数字・固有名詞・日付は特に)
  5. 困ったとき・うっかり入れてしまったときの相談先

4つ目の「人が確認する」は、IPAが挙げていた「生成した結果を鵜呑みにする問題」への対策にもなります。

そして5つ目も、実はスゴク大事です。

「うっかり入れちゃった…」と言い出しにくい雰囲気だと、問題が隠れてしまいます。

作ったルールは、パソコンの横に貼るか、朝礼で一度読み合わせるだけでも効果があると思います。

このルールは、一般家庭でお子さんがAIを使うときの約束ごとにも、そのまま応用できます。

AI導入の全体の流れは、以前の記事「中小企業がAI導入を始めるための5つのステップ」でもご紹介していますので、あわせて読んでみてください。

まとめ

今回は、「AIに貼ってはいけない情報とは?中小企業のAIルールは紙1枚から」と題して

  • AIは「禁止」より「使っていい範囲」を決めるほうが安全
  • IPAの10大脅威2026で「AIの利用をめぐるリスク」が初登場3位
  • 顧客情報・パスワード・見積金額などは貼らない
  • 使うAIを1つに決めて、学習の設定を確認する
  • ルールは5項目の紙1枚から始められる

を解説しましたが、いかがだったでしょうか?

AIはとても便利な道具ですが、便利だからこそ、最初に「決めごと」を作っておくことが大切だと僕は思っています。

ルールがあれば、社員の皆さんも迷わず、安心してドンドン使えるようになります。

まずは今週、5項目のうち「入れてはいけない情報」だけでも書き出してみましょう!

ツナガルでは、AIの使い方やルール作りも含めた、AI導入のご相談をお受けしています。

「うちの会社に合うルールを一緒に考えてほしい」「どのAIを選べばいいか分からない」という方は、ツナガルへお気軽にご相談ください。

参考・確認日:2026年9月24日
・IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」
・IPA「プレス発表 情報セキュリティ10大脅威 2026を決定」
・IPA「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」
・個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」
・ヤマネックス「中小企業の生成AI利用実態調査2026」
・デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール
※各AIサービスの学習設定や利用条件は変わることがあります。必ず各サービスの最新の規約・設定画面でご確認ください。

AIに貼ってはいけない情報とは?中小企業のAIルールは紙1枚から

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